COLUMN
FOLS TERRACE
MINAMI SHINAGAWA
MINAMI-SHINAGAWA LIFE
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東海道の品川宿に想いを馳せて
「品川宿」は東海道五十三次(ごじゅうさんつぎ)の、江戸を出て最初の宿場です。
そしてフォルステラス南品川の前の道が、当時の東海道です。「品川宿」の名残が見られます。
東海道は、むかし京都と江戸を結ぶ主要幹線で、江戸時代には大名の参勤交代や物資の輸送で賑わっていました。旅人や、その送り迎えの人もやって来て、江戸から手軽に行ける観光地としても栄えていたそうです。
八津山口から鈴ヶ森口までの3.8kmは、江戸時代の道幅がそのまま残る貴重な区間。この近辺では、農民たちが収穫した野菜を持ち寄って取引していました。それが市場として発展し、「青物横丁」と呼ばれるようになったそうです。京急本線「青物横丁」駅は「横丁」がつく珍しい駅名で、全国でもここだけだと鉄道ファンの間で有名です。
洋行帰りの鐘や「厄除ぎんなん」
この地域の歴史はたいへん古く、平安時代から室町時代にかけて建立された寺院が、数多く残されています。
中でも、弘法大師によって開かれ、平安時代に創建された「品川寺(ほんせんじ)」は、品川で最も古い寺院。山門の前では、東海道を行き交う旅人の無事を願った「江戸六地蔵」のひとつが参拝者を迎えてくれます。
境内の鐘楼には、「洋行帰りの鐘」と呼ばれる大梵鐘が吊されています。この鐘は、徳川四代将軍・家綱の命によって鋳造されたもので、幕末のパリ万国博覧会(1867年)に出品されたのち、行方不明になりました。しかし、住職が探し続けた結果、遠くスイス・ジュネーブにあることが判明。粘り強い交渉の末、昭和5(1930)年に無事帰還を果たしました。鐘がどのような経緯でフランスからスイスへ渡り、どのような時を過ごしていたのか——その謎に思いを馳せずにはいられません。
また、境内には樹齢約600年とされる大イチョウがそびえ立ち、幹の周囲は5.35メートル、高さは25メートルにも及びます。幹や太い枝から垂れ下がっているのは、“乳”と呼ばれる不思議な突起。先端は根や枝に変化するという特性を持っています。秋になると、このイチョウから採れる「厄除開運ぎんなん」が訪れる人々に人気です。
このほかにも、鎌倉時代に創建された「天妙国寺(てんみょうこくじ)」、火と水の神を祀る「海雲寺」、そして岩倉具視や松平春嶽など幕末・明治期の偉人たちが眠る「海晏寺(かいあんじ)」、「荏原神社」など、歴史を感じさせる寺社が今も数多く残されています。
再開発を逃れ、残った街並み
かつての品川宿は、御殿山と海に挟まれた細長い地形に位置していました。明治5年、日本初の鉄道である東海道線が開通する際、宿場町の道幅があまりに狭かったため、路線は御殿山の谷筋を通るルートが選ばれました。現在、その鉄道沿いには近代的なオフィスビルが立ち並び、街の景観は大きく変化しています。
大正時代の末頃からは海の埋め立てが進み、かつての海辺は高層マンションやビジネスビルが立ち並ぶ「最新のベイエリア」へと姿を変えました。
それでも、旧東海道沿いの品川宿だけは、こうした変化の波から距離を保ち、古き良き「人の暮らし」が今も息づいています。
たとえば、安永8年(1779年)創業の「畳 松岡」の現在のご主人は七代目。かつて近くにあった仙台藩下屋敷の御用職人としての歴史を持ち、築100年を超える建物の中で、今も変わらず畳づくりを続けています。
また、新馬場駅近くの「品川屋海苔店」は、1912年(大正元年)の創業。かつては、品川周辺で採れた海苔の販売をしていました。しかし、昭和30年代以降の埋め立てにより、地元で海苔が採れなくなってからは、同じ東京湾に面した千葉・木更津などで採れた海苔を使い、伝統の味を守り続けています。
旧東海道の東側には、波から街道を守るために築かれた石積み護岸が今も残っており、かつてこの一帯が海だったことを伝えています。江戸の土木技術が垣間見える、品川宿の貴重な歴史遺産です。
江戸装束も楽しい「品川まつり」
毎年秋に開催される「品川まつり」は、宿場町らしい歴史情緒を感じられる、地域を代表するイベントです。
なかでも見どころとなるのが、「しながわ宿場まつり行列」。パトカーが先導する「交通安全パレード」に続いて、江戸時代の装束に身を包んだ参加者たちが東海道を練り歩きます。沿道には多くの見物客が集まり、祭りならではの活気が街全体を包み込みます。品川寺では、修験者による交通事故防止の祈祷も行われ、厳かな空気を添えています。
行列への参加は一般公募されており、パレードの後は、扮装のまま一日中まつりを楽しめるのも魅力のひとつ。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような光景が広がります。「参道縁日」や、夜の品川を盛り上げる「しながわ宿場ナイト」、華やかな「おいらん道中」、そして多彩な料理を提供するキッチンカーなど、見どころも盛りだくさんです。
また、品川寺では、古くから修験道に伝わる「火渡り荒行」が行われます。修験者が火の中に入り、人々のために祈った後には、一般の参詣人の参加も可能。毎年境内が満員になります。
憩いの場も近い、暮らしやすい街
周辺には、暮らしの中に自然や文化を感じられる施設も充実しています。
自転車の練習コースがあるのが東品川公園。子ども用自転車の貸し出しも行われており、交通ルールを学びながら安心して練習することができます。弓道場やテニスコートがあり、スポーツや趣味の場として親しまれています。遊具やSLもある広い公園には、しだれ桜やハナミズキなどが植えられ、四季の移り変わりをを感じることができます。
鮫洲運動公園には、アスレチックのある遊具広場のほか、地面にチョークで絵を描けるスペースや、スコップで穴を掘れるスペースがあり、子どもたちに人気です。また、南側には、野球やフットサルができる人工芝のグラウンドがあり、個人が無料で利用できる時間帯もあります。
少し足をのばせば、バスで気軽に「日本科学未来館」へ。最先端の科学とふれあえる人気施設もすぐそばです。
自然、学び、遊びが身近にあるこのエリアは、子育て世代にも心地よい暮らしを提供してくれます。